Next Stage〜読書で次のステージへ〜

本の解説ではなく、「こういう読み方をしたらもっと面白いんじゃないか」を提案していく場です。

【USJを変えたマーケティング】を活かして17歳の凡人が学校一の美女とデートできた作戦とは?【レビュー・感想】

f:id:Sophia_onoda:20170708201840p:plain

(画像はkindleから)

どうも、小野田(@carory)です。

これは、勉強も運動も容姿も平凡な
いわゆる「普通の人」である凡太(17歳)が、
とあるマーケティング本に出会って
学年一の美少女エンジェルと恋人になるまでの物語・・・。


====================

「いってらっしゃい」

凡太
「うん、行ってくる。」

そんないつものやり取りをして、
凡太は学校に向かっていつもの道を歩き出した。

凡太
「そういえばもうすぐ夏休みかー。
まあ、今年も友達と家でゲームしたりして過ごすかな。
それに読みたい小説もたくさんあるし♪」

額にじんわりと汗をかきながらそう呟いた。
季節は、夏。テスト2週間前だ。

凡太
「おっと危ない!」

エサを運んでた黒アリを踏みそうになり、
右足が行き場をなくして凡太はよろけた。

凡太
「ふー、危ない危ない。
仲間のためにエサを運んでる途中なんだね。
どこが家か知らないけど頑張れよー!」

何事もなかったかのように歩いていくアリに向かって
きっと届いてない小さなエールを送り、
凡太はまた前を見て歩き出そうとした。


そのとき、凡太の目に映る世界は色を変えた。
突然、道路が、空が、木が、輝き出した。

その目に映っていたのは、風すら味方にして、
まるで夜空を切り取ったように美しい
肩より少し下まで伸びる黒髪。

横顔でも分かる大きな瞳と
シュッとした鼻が特徴的な美しい顔立ち。

見間違えるはずがない。
目の前を横切っているのは同じクラスのエンジェルさんだった。

エンジェルさんは、友達数人に囲まれて
笑顔で楽しそうに歩いていた。


凡太
「あ・・・」

挨拶する勇気もなく、凡太はただ見てるだけだった。

凡太
「相変わらず景色から浮き出てるな〜。」

そう感じるのは、凡太がエンジェルさんに片想いしてるからだ。

ある日、教室でシェイクスピアを読んでいて
本に挟んでたしおりを落としてしまったとき、
それを拾ってくれたのがエンジェルさんだった。

ニコッと太陽を反射する雪のように輝く笑顔で
「落としたよ!」と両手で優しく渡してくれた
エンジェルさんに凡太は心を撃ち抜かれた。

エンジェルさん
「シェイクスピア読んでるんだね!
私も好きだよ♪」

凡太
「え、そうなんだ・・・!」

共通の趣味もあり、さらに気持ちが昂ぶったが、
エンジェルさんと交わした会話はこれだけだ。


凡太はそんなことを思い出しながら、
そのまま遠目にエンジェルさんを見ながら登校し学校に着いた。

教室に入ると、賑やかなグループが
教室の中心でワイワイ話していた。

そのグループの中心。

つまり、中心の中心にいたのは、
毎年バレンタインデーには紙袋いっぱいのチョコを持ち帰り、
運動も勉強もできるまさにパーフェクトヒューマン、
イケメン君だった。

イケメン君は、誰とでも仲良くなる。

僕にもよく話しかけてくれて、
本の話を楽しそうに聞いてくれる。

そんな明るくて仲間思いな性格だから、
いつも周りに人が集まってる。

だけど、そんなイケメン君は彼女がいない。

実は、イケメン君もエンジェルさんのことが好きだからだ。

ちなみにテストの成績は、
エンジェルさんがクラス1位でイケメン君が2位。

誰がどう考えてもお似合いのカップルだ。


凡太
「勝てるわけないよな〜」

圧倒的なライバルの存在に、
なにをしても平凡な凡太はすでに諦めていた。


今日の授業も終わり、下校している途中、
凡太はいつものように本屋に立ち寄った。

凡太
「あ〜、いい匂い。落ち着くな〜。」

幸せな気持ちで満たされながら、
いつものように小説が置かれている棚へ向かう途中、
とある本が目に止まった。

『USJを劇的に変えたたった1つの考え方』
というタイトルのビジネス書だ。


凡太
「そういえば教室でみんなUSJ行きたい!
って話してたなー。最初は銀行なんか行って
なにが楽しいんだよって思ってたけど、
よくよく聞いたらUFJじゃなくてUSJだったな。」

テレビやSNSの情報でなんとなくは知ってた。
どうやらUSJの人気がどんどん上がってるらしい、って。

そんなこともあり、凡太は少し気になった。

凡太
「たまにはこういう本も読んでみようかな。
なんでこんな話題になってるか気になるし。」

そう思い、凡太は『USJを劇的に変えた〜』を買ってみることにした。


「ただいま〜」

家に着くと、早速部屋へ行き、
今日の収穫を袋から出した。

凡太
「マーケティングって何だろう?
まあいっか。入門書っぽいから
専門知識なくても読めるでしょ。」

そんな軽い気持ちでページを開いて
読み始めていくと、脳にビリビリっと電流が走り、
スパークする感覚が凡太を包み込んだ。

そこにはこう書いてあった。

 

”では、低迷していた時期には、
従業員は頑張っていなかったということでしょうか?

~中略~

ならばどうしてもっと早く結果が出なかったのか?
それは会社として頑張るべき焦点
「どこで戦うか」を正しく明確に設定できていなかったからです。
マーケッターにとって、それが最重要の使命です。”
(引用:『USJを劇的に変えたたった1つの考え方』角川書店)

 
凡太
「なるほど。そういえば伝説の剣豪の宮本武蔵も、
剣の極意として「剣と槍では得意な戦い方が違うから、
それぞれの武器の長所と短所を把握して
それに合った戦い方をしよう」みたいなことを言ってたな。

ん、待てよ・・・・」

このとき、凡太は気付いた。

凡太
「あれ?もしかしてこのマーケティングの考え方って、
恋愛にも活かせるんじゃないか?
だって、僕とイケメン君はまったくの別人だ。
だったら、得意なことが違うんだから、
同じ戦い方をしてちゃダメなんだ!」


自分でも鼓動が聞こえるくらい
ドクドク心拍数が上がることに比例して、
ページを進める手も早くなっていた。

さらに、マーケティング思考が
どうして大事なのか?ということについて、
こんなことが書かれていた。

”「ゲストが本当に喜ぶもの」と
「ゲストが喜ぶだろうと作る側が思っているもの」は
必ずしも一致しないのです。”
(引用:『USJを劇的に変えたたった1つの考え方』角川書店)


凡太
「なるほど。僕は今まで、エンジェルさんは
イケメン君みたいな人と話すのがきっと楽しいんだろう、
って勝手に思い込んでた。
でも、もしかしたらそうじゃないかもしれないってことか!」

凡太は、エンジェルさんを諦めて
モワモワした黒い霧に覆われた心に、
一筋の光が差し込んでいくのを感じた。


さらに読み進めていくと、
こんなことも書いてあった。

”マーケティングの最大の仕事は、
消費者の頭の中に「選ばれる必然」を作ること、
そのための活動を「ブランディング」と呼ぶ。”
(引用:『USJを劇的に変えたたった1つの考え方』角川書店)


凡太
「ふむふむ。つまり誰とも比べられないような
状態を目指すのがブランディングってことか。
たしかに、誰とも比べられないような状態なら、
ライバルなんて関係なくなるな〜。」


さらにさらに、こんなことが書いてある。

”「戦略とは、何か達成したい目的を叶えるために、
自分の持っている様々な資源を、
何に集中するのかを選ぶこと」”
(引用:『USJを劇的に変えたたった1つの考え方』角川書店)


凡太
「僕は今まで勘違いしてた。学年一の美女とも言われる
エンジェルさんと仲良くなるには、面白い話ができて
運動もできてルックスも良くないといけないって思ってた。
お洒落なカフェとかも沢山知ってないといけない、って。

でも、そうじゃないんだ。
むしろ、そこを意識してしまうことで、
他の人たちと同じ土俵で戦うことになっちゃう。

それはつまり、比べられるってこと。
比べられたら、何もかも平凡な僕は勝てない。

そんな平凡な僕が、もしエンジェルさんと
恋人になれる可能性があるとしたら、
他の人とは違う、自分なりのやり方をするべきなんだ。」


3分の1ほど読み終わったところで、
自分の意識の方向性が間違ってたことに気付いた。

じゃあ、どうすればいいのか?
エンジェルさんが喜びそうなことで、
かつ自分が提供していけることは何なのか?

そんなことを考え始めて、
すぐに1つのキーワードが思い浮かんだ。


凡太
「・・・・・・・読書だ。」

あの日、唯一エンジェルさんと
会話したときのことを思い出した。

エンジェルさんはシェイクスピアを読むって言っていた。
僕も大好きだ。

そういえば、いつもは友達に囲まれてるエンジェルさんも、
友達たちがトイレに行ってる間は教室で読書してる。

そのとき、話しかけるチャンスじゃん。


凡太
「よし、話しかけてみよう。」
凡太は、勇気を振り絞って話しかけることにした。


そのチャンスは、凡太が思っていた以上に早くやってきた。

友達たちがトイレに行った。
トイレで長話してるらしく、しばらくは帰ってこない。

そして、エンジェルさんはいつものように本を開いて
読書をはじめた。

・・・今しかない!


エンジェルさんは窓際の席だったので、
窓を開けにいくついでに話しかける作戦だ。

凡太
「エンジェルさん、
暑いからちょっと窓開けてもいい?」

エンジェルさん
「あ、凡太くん。いいよー♪」

返事を確認してから少し窓を開けると、
優しいそよ風が入ってきた。

エンジェルさんの綺麗な黒髪が風でふわっと舞い、
ドキッとして思わず見惚れてしまった。


エンジェルさん
「ん?どうかした?」

凡太
「あ、いや、その・・・
その本って、もしかしてシェイクスピア?」

エンジェルさん
「うん、そうだよ!好きなんだー♪
友達には女子高生らしくないって言われるけどね〜。
よくシェイクスピアって分かったね?」

凡太
「うん、僕もシェイクスピア好きだからさ。
何回も読んでるからちょっと内容見たら分かるんだ。」

エンジェルさん
「あ、そっか!凡太くんも前読んでたもんね!」

凡太
「覚えててくれたんだ・・・!」

エンジェルさん
「え?」

凡太
「(あ、やべ、心の声もれてた)
あ、いや。そうそう、学校でもたまに読んでるんだ。」

エンジェルさん
「嬉しいなー♪私の周り誰も興味ないから
この興奮を分かち合える人がいないんだよーっ。」


エンジェルさん
「ねえねえ、もし凡太くんが良ければさ、
今度シェイクスピアの面白さについて一緒に語り合わない?
今まで誰とも話せなかったから寂しかったんだよー。
シェイクスピアはどれも深い作品だから、
他の人はどう感じてるのか興味あるし!」

まさかのエンジェルさんからの提案に驚き、
凡太は、脳内で自分の頰をつねってみた。

・・・・・痛くない。

そりゃそうだ。現実ではつねってないのだから。

でも、胸の内側をドンドンとノックしてくる
鼓動を感じるから、きっと現実だ。

凡太
「あ、え、う、お・・・・・いいよ。」

エンジェルさん
「あえうお?何それ?なんかの作品名?
はじめて聞いたなー。まあいいや。
じゃあ、LINE教えるから連絡ちょうだい!
そこでいつにするか決めよ!」

凡太は、動揺しながらもエンジェルさんから
LINEのIDが書かれたメモを受け取った。


・・・その後、家に帰るまでの記憶はない。

部屋に戻り、エンジェルさんにもらったメモを
鞄から取り出したところで我に返った。

そして叫んだ。


凡太
「まじかよー!!
こんなうまい展開あるかよーー!!!」

凡太
「おい作者!思ったより長文になってきたからって
展開が無理やり過ぎるだろ!!

・・・はっ、僕は今なにを?
ここは現実世界なのになに言ってるんだ?
いろいろあり過ぎて疲れてるのかもな。」


凡太
「とにかく、どうやらこれは現実らしい。
ただ、浮かれちゃダメだ。
エンジェルさんは僕と話したくて
誘ってくれたわけじゃないんだから。

シェイクスピアが好きな人と話したいだけなんだ。

でも、それは”今はまだ”、だ。
ここから前に進むためには当日にかかってる。」


そうして、次の作戦を考えるべく、
凡太は再び昨日買った
『USJを劇的に変えたたった1つの考え方』の
続きを読み始めたのだった。


・・・(続く)


【次回予告】

なんと、高嶺の花だと思っていたエンジェルさんと、
シェイクスピアをキッカケにデートすることになった凡太!

まさに千載一遇のチャンス到来!

凡太は『USJを劇的に変えたたった1つの考え方』の
まだ読んでいない残り3分の2を
さらに読み進めて自分なりの戦略を考えることに・・・。

できれば一緒にテスト勉強したい!
そこで凡太が閃いた作戦とは?!

次回[凡太に突きつけられる絶望と覚醒]
====================


・・・たぶん続きません!笑

マーケティング思考を身につけ始めた凡太くんが
一体これからどうなっていくのか?

続きは、今回紹介した本を読んで
「凡太くんならこうすればいいかもな」
と想像してもらえればなって思います。


ビジネス書ですが、内容は凡太くんがそうしたように
日常生活にも応用していけることばかりです。

マーケティングって言葉を知らなくても読めるので、
凡太くんの今後を想像したい人はぜひ読んでみてください!


ではでは〜!

最後までお読みいただき、
ありがとうございました。


◆LINE@も面白いですよ◆

「もっと知識を!」「もっと成長を!」
という貪欲な方はぜひ参加してみてください。

参加者限定で読み応えたっぷりの
電子書籍もプレゼントしてますよ。
→LINE@に参加する

 

【参考書籍】